【ACメルマガ】教育の中で、どうコーチングを活かすのか Vol.1 No.11 2015.9.6.

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アカデミック・コーチング・ メールマガジン

Vol.1 No.11 2015.9.6.

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こんにちは。
アカデミック・コーチング研究会の
坂東奈穂美(ばんどう なおみ)です。

アカデミック・コーチング学会の
設立記念大会が2週間後に迫りました♪

今回は実行委員長が、
コーチングを教育に導入する想いを
存分に語ります!

この熱さ、受けと取ってください(^o^)/
(いつもより、長いです…)

_/_/_/_/ もっと知りたい!

   アカデミック・コーチング_/_/_/
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コーチングの教育への導入条件は何か?

  阪井和男 (明治大学法学部)
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アカデミック・コーチング学会の設立記念式典が
いよいよ9月20日に迫ってきました。

本学会は2つのこと目指しています。
1.コーチングの手法を教育に取り入れる
2.コーチングそのものをアカデミックに研究する

今回は
コーチング手法を教育に取り入れることについて、
どのような状況における教育の中で、
コーチングが有効となるのかを考えてみます。

まず、
教師による講義が有効なのは、
どんな状況でしょうか?

それは、
教師の知識が学生の知識よりも
圧倒的に多い状況です。
明治維新後に設置された、
帝国大学がその一例です。

欧米諸国による植民地への危機感から、
この時代は近代化に向けて
強烈な社会的圧力が働いていました。
そのため、欧米諸国から
多くの教師を雇い入れたのです。

学生は、各教師らの母国語による講義から
最先端の学問を吸収しました。
その学習方法は、ひたすらメモをとり、
清書に励むといったものでした。

東京帝国大学法学部の授業では、
学生は、なんと年間5000枚もの授業メモを清書し、
それを丸暗記していたといわれています。

また、高等文官試験の採点は、
徹底した減点主義で行われ、
近代国家づくりを担う行政官僚を
採用していたのです。

一方で、学生の知識が教師の知識よりも、
圧倒的に多いといった、逆の状況を考えてみると、
学校そのものが成立しないことは明らかでしょう。

そして残された、教師の知識と学生の知識が
拮抗している状況でこそ、
アクティブ・ラーニング(能動的学修)や
反転授業(Flipped Classroom)が有効なのです。

以上をまとめると、次のようになります。

(1) 教師の知識 > 学生の知識:
  教師による講義が有効
(2) 教師の知識 ~ 学生の知識:
  アクティブ・ラーニングや反転授業が有効
(3) 教師の知識 < 学生の知識:
  学校そのものが成立しない

この構造から、
教師が圧倒的に優位な自分の知識に寄りかかるほど、
教師は講義を手放なさないことが推測できます。

しかし、
教師自身が教えたいという欲求を抑えて、
学習者主体に授業を進めようとするとき、
教師に圧倒的な知識の優位さがあってもなくても、
コーチングのアプローチが必要になります。

すなわち、教え魔になる誘惑を抑えて、
コーチングに徹する覚悟をもてば、
どんな分野でも学習者主体の授業を
展開できるのではないでしょうか。

最近では、 アクティブ・ラーニングを
授業形態と結びつける[1]ことが多いようです。
しかし、前記(1)のように
教師による講義が有効な場合にも
アクティブ・ラーニングは存在しています。

それは、講義の内容を受講者が自分の力で咀嚼し、
知識を再構築している場合です。
実はこのような学び方をする学生は、
帝国大学には昔から存在していました。
そういう学生は自らアクティブ・ラーニングを
実践していたといえます。

たとえば、理論物理学の学び方は
アクティブ・ラーニングそのものといえます。
理論物理学では、理論を使いこなすことではなく、
理論を作り出すことを学ぶ必要があります。
その理論を作るに至った道筋を自分に問いながら、
自らの立場で再構成しなければ、
理論づくりに役立ちません。

このように、アクティブ・ラーニングとは
決して授業形態のことだけとは限らないのです。

一方で、反転授業(Flipped Classroom)という言葉も
最近では広がりを見せています。

Flipped Classroomという言葉を最初に使ったのは、
カーン・アカデミー創設者のサルマン・カーンが
TEDでプレゼンテーションをした時です。

このアイディアの元となったのは、
コロラド州ウッドランドパーク高校が
欠席者用に講義動画を
インターネットで配信したことです。
そこから、
学生全員に予習させるアイデアを思いつき、
実践し始めたのが2007年のことです[2]。
最近では、もっぱら反転授業は
予習型のアクティブ・ラーニングと
解釈されています。

しかし、アメリカにおける反転授業は、
公文式のように授業の中で、
個別学習と個別指導がなされています[2]。
すなわち、
アメリカでは反転授業=協調学習ではないのです 。

協調学習とみなされるのは、
日本の独自事情によるものといえそうです。
実際、
文部科学省の「用語集」(下記URL参照)における
「アクティブ・ラーニング」の項を見ると、

教員による一方向的な講義形式の教育とは異なり、
学修者の能動的な学修への参加を取り入れた
教授・学習法の総称。
学修者が能動的に学修することによって、
認知的、倫理的、社会的能力、教養、知識、経験を含めた
汎用的能力の育成を図る。
発見学習、問題解決学習、体験学習、調査学習等が
含まれるが、
教室内でのグループ・ディスカッション、
ディベート、グループ・ワーク等も
有効なアクティブ・ラーニングの方法である[3]。

とありますが、
教室内の方法として例示されているものをみると
協調学習のものに偏っています。

以上をまとめると、
アクティブ・ラーニングはもちろんのこと、
広い意味の反転授業(個別指導型と協調型)に
おいても、
コーチングは有効な方法を与えてくれることが
期待されます。

ただし、これが有効となるには、
教師が自分のマインドセットを変えること。
すなわち、教え魔になる誘惑を抑えて
コーチングに徹する覚悟をもつことが
求められるのではないでしょうか。

【参考文献】
[1] 山地弘起、「アクティブ・ラーニングとはなにか」、『大学教育と情報』、2014年度 No.1(通巻146号)、私立大学情報教育協会.
http://www.juce.jp/LINK/journal/1403/02_01.html (2015年9月3日アクセス)
[2] 2011年に山内祐平(東京大学大学院)がFlipped Classroomを反転授業と翻訳し、
紹介したことに始まる。反転授業については、下記を参照。
ジョナサン・バーグマン、アーロン・サムズ、『反転授業』、上原裕美子訳、山内祐平・大浦弘樹監修、オデッセイコミュニケーションズ、2014年5月20日.
加藤大、「反転授業とは何か」、私立大学キャンパスシステム研究会合同研修会(浜松)、2015年9月1日.
[3] 文部科学省、「用語集」
http://www.mext.go.jp/component/b_menu/shingi/toushin/__icsFiles/afieldfile/2012/10/04/1325048_3.pdf
(2015年9月3日アクセス)

_/_/_/_/ これからのWAC♪WAC♪ _/_/_/_/_/

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アカデミック・コーチング学会設立記念大会
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もう参加お申し込みは、お済みですか?
ありがたいことに、最近になって
お申し込み件数が増えています。

特に情報交換会(懇親会)への
参加を予定されている方は、お急ぎください。

◆会 場◆
明治大学駿河台キャンパス 紫紺館3階 会議室

◆日 時◆
2015年9月20日(日) 13:00~18:00

◆プログラム◆
13:30~14:00 設立総会

14:20~14:30 会長就任挨拶

14:30~16:00 パネルディスカッション
  「アカデミック・コーチングの意義と可能性」
  パネリスト:
  阪井 和男(明治大学)
  西垣 悦代(関西医科大学)
  江藤 真規(サイタコーディネーション)
  原口 佳典(株式会社コーチングバンク)
  コーディネーター:
  本間 正人(京都造形芸術大学)

16:20~17:50 ワークショップ
  「アカデミック・コーチングの未来」
  ファシリティター:
  本間 正人(京都造形芸術大学)

17:50~18:00 閉会挨拶
  実行委員長:
  阪井 和男(明治大学)

◆参加費◆
一 般 7,000円 ※当日申込は10,000円
学 生 3,000円 ※学生証の提示が必要
教 員 3,000円 ※名刺等の提出が必要

◆情報交換会◆
時 間 18:15~20:15
会 場 カフェ・パンセ Caf�・ Pens�・es
    明治大学 アカデミーコモン1階
  http://www.meidai-support.com/cafe_pensee/
会 費 3,000円

◆お申し込み◆
いつもの「こくちーず」からです。
http://kokucheese.com/event/index/316222/

東京都内のホテルも混み始めています。
チケット、ホテルの手配はお早めに。

~・ばんばん♪のつぶやき・~・~・~・~・~

実行委員長の熱いメッセージは
届いたでしょうか?

このような熱い志を持った人、
ちょっと気になるから、のぞいてみた人
教育の悩みを解決する糸口がほしい人

いろいろな方が、様々な思いをもって
このアカデミック・コーチング学会を
見つめているのではないでしょうか。

そんなあなたの「つぶやき」が、
教育の中でコーチングが活かされる
きっかけを秘めています。

学会で、みんなが待っています。
ちょっぴり勇気を持って、
一緒につぶやいてみませんか(^-^)/

◇:*:☆:*:◇:*:☆:*:◇:*:☆:*:◇:*:☆:*:◇:

【発行元】
アカデミック・コーチング研究会
(代表 : 菅原秀幸・原口佳典)
札幌市豊平区旭町4-10-40
北海学園大学経営学部菅原秀幸研究室

【ホームページ】
アカデミックコーチング研究会(WAC)
http://academicalcoaching.org/

【発行者】
坂東奈穂美

【お問い合わせ先 】
アカデミック・コーチング研究会
北海道事務局
wac.hokkaido.jimu@gmail.com

【配信の停止をご希望の場合】
wac.hokkaido.jimu@gmail.comまで、
ご連絡ください。